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墓前 〜京楽春水〜 


お元気ですか?おばあちゃん。


貴女は…

才女で威厳があって
家族の中でも一番尊敬していたし、されてた。


その貴女が
何故かボクには甘くて

しょっちゅう匿ってくれたよね。


父も母も兄さんも
貴女の「まあまあ…」と宥め振る手に
小言を噤んでくれた。



最期まで

ボクの行く末だけを気にかけてくれてたよね。



父の「いい加減に身を固めんか」と言う科白は聞き飽きてるけど


「 春水は、どれだけ愛らしいお嫁さんを迎えるつもりかね………? 」

貴女の催促は今でも聞きたいんだよね。




おばあちゃん。
実はボク
気になる女の子がいることはいるの。

だけどきっと、ボクは唯の一隊長。他隊の上官に過ぎない。



いつか…

貴女に彼女を紹介できるといいんだけどね。


おばあちゃん…
ボクは欲張り過ぎなのかな?


それとも甘え過ぎかな?


貴女にも
彼女にも…

「こたえてほしい」と望むのは―――…。



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