私たちは何も捨てない
冷たい蛍光灯からあったかい電球色に変えた
「こっちの方がいいね」とにやっと笑った男はもうここに来ない
答えは無くても
手のひらから、背中から、声から、目尻から
全部伝わってくる
何が言いたくて
何を言いたくないのか
強く押し合うそれぞれの肌
いつしかひとつになれた気でいた
いつかひとつになれると思っていたから
あったかく灯ったオレンジも消して
冷たい手で私の目を覆い真っ暗の世界へ引き摺り下ろす
「こっちの方がもっといいね」って
見なくてもわかる
何も捨てようとしない男の顔
きっと寂しそうに笑ってるだろう
何が本当の気持ちか自分でもわからずに
12/30 14:37
[詩]
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