ネットで注文していた、Studio Life公演『LILIES シモンとヴァリエ』のDVDが届きました!
(みなさんやけに若いなぁ…とおもったら、公演2003年だって!)
ずっと観てみたくて、なんだかよくわからないこのタイミングでついに買ってしまったよ…!
--------------------------
◆あらすじ◆
1952年、カナダ郊外の刑務所。
囚人の告解を聞くために訪れたビロドー老司教は突然、看守や囚人達に監禁される。
そして、彼の目の前で囚人シモンの計画による囚人達の手の込んだ芝居がはじまった。
奔放な少年シモンと惹かれ合うヴァリエ。
そんなふたりに嫉妬心を抱く少年―それは紛れもなく、40年前の自分の姿であった…。
修道院で出会った少年達に何があったのか。
封印された過去の悲劇が今、よみがえる―…。
--------------------------
倉田さんがインタビューでおっしゃっていたように、これは“愛”の物語なのですね。
思春期特有の、時が経てば淡く溶けていってしまう恋心なんかではなく、シモンもヴァリエもすべてを賭けて互いを愛しているのが痛いくらいに伝わってきました。
特にヴァリエがシモンに宛てた手紙を読むシーンがすごくすきで、何度も巻き戻して観ては涙してしまいます。
「あなたを愛している」。
ヴァリエのすべてであるその一言が、力強い響きをもって観客の胸を打つんですよね。
言葉もものすごく綺麗だし、あの場面、演出がほんとうに素晴らしいとおもいました!
あとはやっぱり、ふたりの心が通い合うバスタブのシーン。
ヴァリエへの想いを「きみと一緒にいると楽しいよ」としか表現できなかったシモンがようやく彼に愛を告げる場面なので、ヴァリエの満ち足りた笑顔にわたしまで嬉しくなってしまいました。
でもすぐにその幸福な時間は終わりを告げ、このあとの伯爵夫人との切ない別れには大泣きしてしまいます…。
あの場面もほんとうに迫力ありますよね。
夫人が旅立った後も、切々とシモンとの思い出を語り続けるヴァリエ。
そんな彼が、可哀想でいとおしくて仕方なかったです…。
最後はまぁそうなるかな、という結末で、けっして後味がいいとは云えない作品です。
けれど、まるで魂の底から惹かれ合うようなふたりの深い愛に触れて、素敵なお芝居だなぁ、と素直におもったのでした。
山本サンと高根サンは大熱演されていて、ほんとうに素晴らしいカップルでした!
観ていてすぐに、お互いを想い合っているのがわかりましたもん。
よくあそこまで表現できるなぁ、と感心してしまいました。
↓以下、ほんのりキャスト感想
・山本ヴァリエ
胸の前に置いた手や、少し鼻にかかった甘い声。
「病気のせいで、ヴァリエは女みたいになっちまった!」というビロドーの言葉どおり、とにかくかわいかったです。
(泣き方とかものすごく女の子だった…)
一途にシモンを想いすぎてて、途中からはどうにか報われてほしいと願っていました。
何回も書きますが、手紙のシーンがほんとに素晴らしくて!
細められた潤んだ瞳の先には、間違いなくシモンがいました。
この子はほんとうにシモンを愛しているんだなぁ、と心底感じられたのは、やはり表情がよかったからなのかな。
「あなたがいないと、息がくるしい」。
この台詞でいつも号泣です…。
途中から無性に、あの母親とふたり暮らしじゃ誰かにすがらないと生きていけないよなぁとおもってしまったので、「お母様がいなくなったら、僕はどこから強さを得ればいいの?」という台詞には少し違和感を感じてしまいました。
え、アナタは高根サンがいれば大丈夫なんじゃない?と突っ込んでしまったわたし(笑)
(もはやシモンではなく、あくまで高根サン)←
しかし、その後には切なさ全開の素晴らしいシーンが続くのでやっぱり泣いてしまってどうでもよくなるのです…。
とにかくひたむきで魅力たっぷりなヴァリエ、堪能させてもらいました!
・高根シモン
最初からヴァリエ大好きオーラ出しすぎです(笑)
最初はシモンがヴァリエを想う方がベクトルが強いとさえおもったくらい。
意識しすぎちゃって戸惑い気味な演技がとてもよかったです。
女性に目を向けるなんて最初から無理だったんだよ…(笑)
はっきりしないダメな人でしたが(←ひどい)それでもなんだかかっこよくおもえたんですよね…。
山本サンとの身長差がとても素敵でした。
・奥田ビロドー
おもいっきり愛情表現間違った少年役、頑張ってましたね。
何度「アナタ邪魔!」っておもったことか…(笑)
夫人とは違った意味でのキチガイですよ、彼は。
どんどん屈折していってました。
いい感じに気持ち悪くて壊れていてすごくよかったとおもいます。
◆ ◆ ◆ ◆
この作品を拝見して、ライフの舞台にはいつも物語の基盤に深い“愛”が描かれているのだなぁと実感しました。
その想いは繊細すぎて、観ているこちらまで息苦しくなってしまうほど。
だけどやっぱり、誰かを慈しむ気持ちは何にも代えがたい素晴らしいものなのだと教えてくれるのです。
これだから観るのやめられないんですよね…。
次回も美しい舞台を期待して待とうとおもいます(´ω`)
『死の泉』開幕まであと少し!
ああたのしみだぁ(人´∀`*)