「ねえ!!セネル!!」




セネルを呼び付けたカイルは見るからに不機嫌そうだ。



「なんだ?何かあったのか?」



「いや、特別なにかあるってわけじゃないんだけど……」




カイルは嘘をつくのが下手だ。

感情が全部顔に出てしまうからだ。

まあ、そんなところも好きなんだけど、な。



「無理するなって。何か悩みがあるのか?俺、カイルがすっきりするまで付き合うから。」



「つっ………」




カイルは目に涙を溜めて泣きそうなのを必死にこらえているみたいだった。


普段そんなことは滅多にないから余計に心配になる。



「だ、大丈夫か?カイル」




「あ、あのさ…どうして、セネルは俺に抱きついてくれない、の?」



泣きじゃくりながら必死に言ったカイルの言葉に思わず一言。


「はあ!?」


「だって!俺はセネルが大好きだから、一緒にいたいから抱きつくんだよ!でも、セネルは俺にそんなことしてくれたことないじゃんか!それって、俺のことそんなに好きじゃないってことでしょ!!」



弾丸のように放たれた言葉に頭が熱くなり、爆発しそうになる。

いきなり何を言い出すんだよ。



「わかったから落ち着けって!

ごめん。みんなの前だとちょっと恥ずかしくて……でも俺だって、カイルと同じ気持ちだ。」


カイルはきょとんとした顔をした。

「え、それって……」


「俺も、カイルのことが大好きなんだ……ずっと一緒にいたい。だから、今日は……」



ひしっ



「!!!」



「いつものカイルみたいに、ぎゅってしようと思う。」



羞恥で顔が爆発しそうだけど、この気持ちが伝わるんだったら別にそれでもいいや。




「セネル!!!!!」





カイルに力いっぱいに、ぎゅーっと抱きしめかえされた。




「俺、セネルのこと、だーいすき!!」



「ちょ、カイル!!がっつくなよ///!!!」














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