・318代目トップ・ラスリー&ナップ
(伝説の勇者・現世編)





「……!?」
「そんなひとけのない、ジメジメ暗ーいところにいたら、悪いヘビに食べられちゃうよ、おにーさん?」
「ラスリーさん……」
「ヘビは丸呑みして、ゆっくり消化するから何も残らない。ホシキたちにもわからない完全犯罪」
「何も残らない」
「お墓に骨も入れられない」
「お墓……何も残らないのは理想的です」
「…………なんで?」
「おれには入るお墓なんてありません。すべて幻だったように消えてしまうのは、幻惑師らしい最期で良いのかもしれません」
「……むー、思ってた反応と違う……」
「……やめてしまうのですか?」
「むー、ナップは本気でわたしが丸呑みすると思ってたの?」
「そんなことはないですが……そうしたいのであれば、それは構わないと思いまして。不快に感じさせたのなら申し訳ありません」
「むー……こっちこそごめん……」
「謝らないでください。危険予知を怠るな、と言う助言ですよね」
「……うん……。こんなとこでポツンと立ってるんだもん。危ないし……なんか寂しいし……」
「ありがとうございます。身に余るお言葉です」
「ナップって、自己評価低いね。そういうのダメだって、フィルによく言われたよ」
「言われた……ラスリーさんも、以前はこうでしたか?」
「むー……」
「すみません。スレイたちにもよく言われるんですが、難しいですね……」


うしろ:ラスリー・スイル

 わたしから見れば、ヘビの呪縛に縛られてないナップは自由に見えるんだけど、別の呪縛があるのかな……。


手前:ナップ・アマチャル

 ラスリーさんはたった1人で種族を背負ってきているんだから……おれはまだまだ甘いな……。
……?なんだか港の方が騒がしい……?





(2018.10.15)


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