2015/11/19 Thu 22:37
夕焼け小焼け

話題:SS
どうも、月1がうです。
今月は小話にしました。
海賊の話からパメラとアイルの話です。
以下本文




歌が聞こえる。
綺麗な声。
言葉はわからないけど、少し悲しそう。
夕時の闇にまぎれて、時々パメラは歌うのだ。

「赤は嫌い、炎の色だから」

そう言って自身を血で赤く濡らして笑う姿を何度も見た。
本人は教えてくれない。
それが大切な人を亡くした色だと。
白琥珀の勾玉、刀と呼ばれる長剣。
そのどれも形見であること。
きっとこの歌も…。

「パム、日が沈む。じきに冷えるから帰ろう」
「なんだ、迎えに来たの?」

歌い終わるのを待ってから声をかけた。
パメラは気付いていたはずだ。
でも何もないように笑う。
聞かれたくないのか、聞いてもいいのか…、怒らないから聞いてもいいんだろうな。
でも歌の話をするのは憚られた。
聞いたらもう歌ってくれない気がしたから。

「あぁ、汚い赤」

沈む間際の夕焼けを見てパメラは呟いた。
それから隣に並ぶ。
闇が夕焼けを消してしまうのだろう。
反対の空はもう夜だ。
その夜に向かって歩き出す。
朝が来るまでこの闇が晴れる事は無い。

「ねぇ、パム…」

アナタのことが分からなくて辛い。

「なに?」
「…いや、何でもないよ」

いつも出せない言葉。
臆病者だ。
自身を罵った。

「何なの?気持ち悪い…」

隣を歩いて、今のアナタを支えられれば。
いつもそう結論付ける。
心が過去を生きていようが、パメラは今ここにいる。
少しだけ、足を速めた。
これ以上夜が深くなる前に…。


おわり
***
ざっくり言うと部下が上司を心配する話。
たぶんのこれ載せてないはず…!
発掘してきた、なんて言えないからね!!








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