2014/1/19 Sun 23:43
バットエンドルート


話題:みじかいの

FF13-2を今頃やっているがうです。
やりながら思い付いたネタがあるんだけど、それを書く前にこの話を書かなきゃいけないな、と思って、頑張って書く。

前置き。
海賊の話。
一応ヒロインのミツキ。
彼女は実は大昔滅びた都市ブライトドーンで王妃だったマティアス本人。
ミツキ自身もその事は知らず、途中目覚めたマティアスに強制交代させられる。
マティアスの目的はブライトドーンの王、自身の夫であるカオスを倒す事。
時が満ちるまでの夢、それがミツキという人間だった。



・バットエンドルート


マティアスの白いドレスが腹の辺りだけ真っ赤に染まっていた。
カオスの復活にはマティアスの血が必要だったのだ。
カオスが復活した事により、マティアスにかけられていた不死の呪いは解かれた。
うずくまり、霞む目が捕らえたのは高笑いを浮かべるカオスの後ろ姿。
その向こうに希望を託した海賊、ウィリアム・キッドの姿が見える。

「お願い、終わらせて…」

マティアスは遠退きそうになる意識をなんとか繋ぎ止めた。
本当は過去で決着をつけなければならなかった終焉。
ためらってしまった為にこの世界に迷惑をかけた。
いないはずの人間が存在することで沢山の悲しみを生むとマティアスは知っている。
そう、ミツキも含めて。


「ミツキっ!!」

誰かの声がする。
ミツキのぼんやりとした頭に段々とその人物が写る。

「エド?」

抱き抱えながらミツキを呼ぶのはエドワードだった。
ミツキは自分の身体が言うことを聞かず、上手く動かない事に困惑した顔をする。
ただ、ひたすらに怠く、エドワードに支えられている事しか出来ない。

「よかった、目が覚めた!」
「わたし…」
「大丈夫!もう、大丈夫だから」

エドワードのその顔と言葉でミツキはおおよそを察した。
終わったのだな、と。

「エド、それにキッド、皆も…」

回りを見るとこれまで旅をしてきたメンツがミツキを見守っている。
皆傷だらけでボロボロだ。

「ありがとう」

ミツキは笑った。

「ミツキ?」
「私、もう消えてしまうのでしょう?この時代に存在しないはずの人達と同じように」

エドワードは目を見開いてミツキを直視できないのか、顔を背け向ける。
マティアスがカオスと消えてからミツキの身体は仄かに光り続け、手足の先から崩壊が始まっていた。
何か手はないのか…。
皆そう思ってミツキを見守っていたのだ。

「私、楽しかったよ。皆と出会えて」
「あぁ…」

キッドが相づちを打つ。
その間にもミツキの崩壊は進んでいる。
もう時間がない。
それは誰の目にも明らかだった。
ミツキ自身もそれを自覚している。
一筋、ミツキの頬に涙が伝った。

「出来ればもう少し皆といたかったな…」
「……っ」
「また、会えるよね?」

その言葉にエドワードはミツキを抱き締めたくなった。
逃がさないように。
けれど、そうしようとした瞬間にミツキは無数の光りとなって形を失った。

「ミツキ?ミツキ!!ミツキーー!!!」

エドワードの手に残るミツキの体温。
その手でエドワードは自分を抱き締めた。

「何で、何で…」

何故ミツキを助けられなかったのだろう?
その悔しさと悲しみでエドワードの目からポタポタと涙が零れる。
キッドがエドワードの肩に手を乗せた。
その手が震えていたのはきっとエドワードの気のせいではないはずだ。




おわり。
***
ミツキにはミツキ死亡のバットエンド
ミツキ生存だけど制限が付くノーマルエンド
ミツキ生存で未来編へ続くパッピーエンド
の3つを考えてて、次に書くと思われる話はミツキにはこの3つの未来があったってのがキーワード。
本当に書きたいのはそっちの話だから熱が冷めないうちに書けるといいな…。

あと、追記は日常の愚痴?を少し。







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