お粥
リンとトモヤ series

「頭、いたい…」
「寝てろー?」
「…うん」
「じゃあ、いってきます」

リンはどうやら、風邪を引いたらしく、ベッドで、転がっていた。それが、朝、九時過ぎのこと。

「リン、お粥食える?」
「ん、んん、トモちゃん?」
「うん、心配だから、帰ってきた」
「あり、がとー」
「で、どうする?」
「ちょっとだけ、食べる」
「わかったよ」

それが、十二時過ぎ。

「夕飯、どうする?」
「ん〜」
「食べれそう?」
「んあ、トモちゃんだ」
「おはよう」
「たべよう、かなぁ〜」
「ん、準備するから寝てな」
「ぇ、でも」
「たまにも、ね」
「…うん」

それが、七時過ぎ。

「お風呂、どうする?」
「ん、入りたい」
「わかったよー」

これは、八時半をまわった頃。そして、寝る直前。

「何で、そんなに、優しいの?」
「そりゃ、心配だからでしょ」
「いつも、それくらい、優しかったら良いのにー」
「たまにだから、いいんだろ?こういうのは」
「やだ」
「まあ、それだけ、軽口言えるなら、元気になったかな」
「あーはいはい」

***

リンがすっかり元気になった翌日。

「げほっ、ごほっ」
「風邪、うつっちゃったねー」
「う、ん」
「寝てなー」

そして、リンは眠ったトモヤに、そっと、言う。

「昨日は、ありがと。今日は、ゆっくり休んでね」

そして、昼過ぎ。

「お粥でいい?」
「あー、うん」

素直になれたら、苦労しない。なんて、リンは思ったのだった。



end
話題:SS


13/05/14  
読了  


-エムブロ-