※ヤンバニちゃん
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だから何度も言ってるようにあなたは素晴らしいんです。まるで天使のように神のように深い慈悲を持った奇跡のような存在なんです。いいえ、奇跡そのものなんです。あなたという存在の誕生、生存によってどれほどの命が救われてきたかあなたはわかっているんですか?ああきっとわかっていないんでしょうね。そうですよね、あなたはとてもとても謙虚だから。自分を卑下する代わりに他人を愛する人だから。仕方ないですよね。ああでもね、僕はあなた自身にもあなたの素晴らしさを理解してほしいんです。そうすればあなたはもっと自分に自身が持てるようになりますよ。あれ?なんで謝るの?ねえ虎徹さん、どうしてそんなに謝っているんですか?ねえ?僕なんかのためにあなたの自尊心を失わないでくださいよ。僕なんかのためにあなたのプライドに傷をつけないでくださいよ。ねえ虎徹さん?僕は怒っていませんよ?え?だからどうして謝るのって訊いてるのに。無視するなんてあなたらしくないじゃないですか。だってあなたは僕のどんな言葉だって一度も無視しなかったし聞きこぼさなかったでしょう?ねえどうしたの虎徹さん、もしかして調子が悪いの?ごめんなさい、あなたの体調にすぐ気づけないなんて僕はパートナー失格だ。やっぱりあなたのように他人を思いやるのは難しいなあ。もっと気遣いのできる人にならないと。え、バーナビー?いつもみたいにバニーちゃんって呼んでくれていいんですよ?昔は嫌がってましたけど、僕はバニーと呼ばれることで20年間積み上げてきたバーナビーでも4歳までの自分でもない新しい自分を作り上げることができたんですから。今の僕はバニーという呼び名を一番愛していますから、存分にそう呼んでくださって構いませんよ。ね、虎徹さん。

「バーナビー、たのむ、から、やめ、ごめ、ん」

虎徹さんは弱々しく僕の足を掴んだ。ああ、そんなあなたの血でまみれた手で触らないでくださいよ。興奮する。自由なほうの足で彼のお腹を蹴り上げると、虎徹さんは小さく呻いてまた血を吐いた。ごめんなさい、痛いでしょう?でもね、あなたが悪いんですよ。あなたが低俗な下衆野郎たちと話なんてするから。あなたの口はあんな醜いやつらと言葉を交わすためについているんじゃないのに。あのね、虎徹さん。あなたはとんでもなく素晴らしいんですよ。だからあまり自分を安売りしないでください。わかりますよね、虎徹さん?ね?ねえ、返事をしてくださいよ。ね、虎徹さん?虎徹さん、こてつさん、ねえ、