もういいんじゃないかなとあなたが言った。優しい顔つきでそう言った。これを言われたのは初めてじゃない。昨日パパが丁寧にゆっくりとこれまで起こったすべてを語ってくれて、それからわたしに言ったことば。そのときわたしはわたしがぜったいにしたくなかったことをしてしまった、つまりは泣いてしまったけれど、今はもう大丈夫だと胸を張って言える。もう泣いてもいいし無理もしなくていい、あなたはもう一度そう言った。わたしは大丈夫ですよといつもどおりに笑う。わたしの涙をおさめるところはまだあなたの胸じゃないの。まだわたしはパパの胸の中でしか泣けないの。ごめんなさいオドロキさん。オドロキさんはわたしを見てふわっと笑った。もう泣けたんだね、そう言った。見透かされてたなんて思わなかった。

「いつかはオレのことも頼ってくれよ」

はいと返事をしたらまたオドロキさんは笑うのでわたしも自然と笑顔になった。あなたにあえてよかったと心から思った。


この二人が好きすぎてつらい