「人間って面倒くさいわね」
久しぶりに帰った自宅のリビングでポケモン数匹と戯れていた俺に向かって、さっきから頬杖をついて上の空だったトウコが突然そんなことを呟いた。またこの女はなんなんだいきなり。双子のはずなのに、たまにこいつの思考がわからないときがある。あれか、哲学を語りたい時期か。中二病ってやつか。
「俺はおまえの相手するのが面倒くさいよ」
本音をぶちまけると、トウコがぼそりと『チョロネコ、いあいぎり』と呟いた。その言葉に呼応して、さっきまで俺に撫でられていたチョロネコが目を光らせてじりじりとにじりよってくる。ついでにこのチョロネコのレベル:85。
「嘘ですお姉様すいませんでした」
フローリングに土下座して必死に懇願する。鬼姉はよし許そう、とどっかのお偉いさんのように腕を組んで頷き、チョロネコにストップをかけた。今のこいつに似合う四字熟語は独裁政治で決まりだな。
「んで、どのへんがめんどくさいってんだよ」
このあと何を書こうとしてたのかが思い出せない