「シゲオ、面倒なことになった!すぐに来てくれ!」
六時間目が終わってすぐに慌てて飛んできたエクボは詳しい説明をしてくれないまま僕を相談所に引っ張ってきた。今日は肉改部もないし本屋にでも行ってみようかと思ってたんだけど、エクボがこんなに慌てているってことはけっこう大変なことなんだろうから仕方がない。早く入れ、と言われて急いで扉を開けると、そこにはソファに寝転がっている師匠がいた。いや、正確には『悪霊によってソファに寝転がされている師匠がいた』と言うべきだろうか。
「おいエクボ、呼んでこなくていいっつったのに!」
「低級なら俺様が食ってやれるが、こいつはこう見えて上級だ!しょうがねーんだよ!」
悪霊は師匠の体をずるずると這っている。師匠の顔は真っ赤になっていて、息がかなり上がっていた。服もやけに乱れている。かなりの時間悪霊と格闘していたんだろうか。珍しいな、いつもならすぐ僕を呼ぶのに。
「すぐ除霊しますね」
「シゲオ、こいつ妙にすばしっこいから気をつけろよ」
エクボの忠告に頷きながら師匠と悪霊のほうへ近づく。悪霊は僕に気がつくと、しゅる、とその触手のような体を師匠の服の中へと滑り込ませ身を隠した。それと同時に師匠がうめき声をあげる。
「あっ、師匠。大丈夫ですか」
「だっ、大丈夫だ、心配すんな」



やっぱ霊幻新隆にはエッチな霊障にあってほしいよ