お題お借りしました(shindanmaker.com/375517 )


「ちょっとフレンちゃーん、暴れないでくれる?青年困っちゃーう、なんつって」わははと笑いながらユーリは僕の服のボタンを引きちぎっていった。何がどうなっている。なぜ彼は泥酔している、なぜ僕は脱がされている、なぜ彼は…「ちょっとぉ、集中集中!」質問は全てその唇に遮られた。…ああ酒臭い!
(TOV/精神的フレレイの肉体的フレユリ ドラマCDネタ)

放課後の図書室には僕の友人がいる。そう断言できる程に彼は毎日そこで仮眠を取っていた。陽が傾きあたりが橙色に染まる頃、生徒会の仕事を終えた僕は彼を起こしに図書室へ向かう。何度か揺すりながら名前を呼んで彼はようやく目を開ける。「もうそんな時間かよ」そう言って伸びをする姿、まるで猫だ。
(TOV/フレユリ お題:図書室の猫)

「こいつを殺すのは俺のはずだった」事切れた兄さん──時歪の因子の頭を抱きながらこの世界のリドウは俺を睨んだ。今まで見てきたリドウのどの瞳よりも鋭い。俺のことを強く憎悪している目だ。「他の誰より残酷な方法で殺してやろうと思ってた。それをよくも、……ハハ。よりにもよってお前かよ、弟」
(TOX2/クルスニク兄弟+リドウ)

「有り金全部はたいて食材買っちゃってさ、しかも今日で全部使っちゃった。あ、大丈夫、全部トマト料理だよ」どういう意味の大丈夫なんだ、と思わず笑ってしまった。ふくれるルドガーに謝りながら実は俺もな、と呟く。「貯金を全部下ろしてきたんだ。明日から旅行に行こう。……どこにでも行けるぞ!」
(TOX2/ユリルド)

その時地球が爆発したんだ。本当ですよ裁判長、信じてください!「自由には鎖がついてるんです」「先入観ってやつですね。それを取り払えるんですよ、マジックって」火山が噴火して事務所に灰が降る。いいのかよ、って言っても彼女は止めない。ホントに世界終わらせられるんじゃないかな、この子なら。
(逆転4/オドみぬ)

生まれ変わったら君の子供になって君のおなかに入りたいな。君の羊水に浸かって、他の何よりも君に愛されていたい。いつか見る君の顔を思い浮かべながら、君の掌の感触を体ぜんぶで享受しながら眠っていたい。君はきっと僕を全身全霊で愛してくれるだろうな。ねえ、愛しているよ。…撃っていいよ。
(P3P/綾ハム)

「怖いね。下手したらきっと死んじゃうよ」そう言って敵の群がる前方を公子は見つめている。ああ情けねーけど確かに怖いよ俺は。でもオマエはどうだ?そんなに楽しそうな目は初めて見た。てか笑ってんじゃん、ぶっちゃけ。なんかちぐはぐなんだよな。「はあ、すっごくワクワクするね。…あ、間違えた」
(P3P/ハム子+順平)

運命という言葉を今までで一等強い実感を込めて使ったように思う。彼女が私の運命。前々からそう定められはしていたが、いざ触れられる距離で微笑まれるとよりいっそうその輪郭が浮かび上がるのだった。「テオ、明日はどこ行きたい?」「あなたの好きな場所へ」彼女は今日も笑う。「テオはかわいいね」
(P3P/テオハム)

ずいぶん明るい女が来たな。第一印象はそんなものだった。しかしあの女、恐らく「こっち」に近い。「あ、明智くん」俺が声をかけてからそう言って振り向くまでのほんの二秒ほど、女は瞳に何の色も映さないで、感情の欠落した表情をひとつぶら下げていた。…警戒しておいたほうがいいのかも知れない。
(PQ2/ハム明)