見慣れた金髪が土埃の中でキラキラと光っている。遠目にもわかる明るさは戦闘中のごたごたの中でもよく目立つから助かった。魔物と間違えて斬っちまわずに済みそうだ。すっとした横顔には海みたいな青さの目が嵌っている。斬るべき敵を見据えて、的確に剣を向ける。昔よりも精度の上がった太刀筋にはひとつの迷いも見当たらない。騎士様然とした佇まいと鋭い視線、その全部に恥じない実力と信念。それが急にこっちを向いたもんだから一瞬剣が揺れかけた。ユーリ、余所見をするな。そう叱りつけてくる幼馴染に笑いを返す。
「わりーな。本気でお前に見惚れてた」
「……また君は!」