「顔が晴れ晴れとしてるゾ!さてはいいことでもあったナ?」ふらりと訪れたフレスノ街で偶然にも知った顔と出会った。どうやら彼女はこの近辺を縄張りとしているらしい。「失礼。花火なら間に合っています」「商売目的で話しかけたワケじゃないんだゾ?お兄さんとお話したいなーと思って」「……本当は?」「いいカモ発見!」バチバチ、と弾ける花火を見ながらオレは密かに嘆息した。
(亜双義とビーナスちゃん)

夢の中のボスはすーっごく優しかった。アゲモノもアイスもいっぱい買ってくれるし何をスっても怒らないし仕事サボってアイリスと遊んでても隣でニコニコお茶を飲んでるだけだ。いつものボスもずっとこうならいいのにと思って、その後すぐに悲しくなった。「ボス、ちゃんと怒ってよ」「なんで何も言ってくれないの?」「なんで死んじゃったの…」
(ジーナちゃんとボス)

「亜双義、すまない、財布を忘れてしまって…」「キサマ…今月で三度目だぞ?わざとやっているのではないだろうな」「いやいや、そんなことは!決して!…あっ、そういえばおまえ、またぼくの部屋に本を忘れたよな」「ああ……夜に取りに行く」「今月で三度目だぞ?疲れてるんじゃないのか」「心配するな。それはわざとだ」「…………え?」
(龍アソ)

「ホームズくん、お誕生日おめでとうなの!」家の扉を開けた瞬間、笑顔のアイリスがそう言葉を弾ませた。机には豪勢な食事が並んでいる。「はい、プレゼントなの」手渡された手紙の表には『大好きなパパへ』と可愛らしい文字で書かれていた。……ボクも歳を取った。「毎年泣くよね、ホームズくん」
(ホムアイ)

「きっと天罰が下るわ」廊下ですれ違いざまにそう言ったら、忌々しい英国女はピタリと足を止めた。美しい、優雅な動作であたしに振り返って、そして優しく微笑んでみせる。「威勢が良いわね、お嬢ちゃん。でもあなたただのアヒルでしょう?」……ああ!
(ハオリとジェゼール)

その首筋を伝う汗は扇情的に視界を彩り、龍ノ介は思わず喉を鳴らした。わざと緩慢に動く指が龍ノ介をゆるりと指し、濡れた唇がそっと開く。「成歩堂、分かっているな」理性を焼き、そっと頷いた龍ノ介はめしをこぼしました
#meshiyosoi
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龍ノ介の顔と手元を見やった亜双義は静かに笑みを浮かべる。「成歩堂。オレはキサマという男を信じている」その言葉に何度救われただろう。そう胸中で呟きながら亜双義に微笑みを返した龍ノ介はメシをこぼしました
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名前は分かる。でも顔が覚えられない。カズマ・アソーギ検事、24歳、元《死神》のバンジークス検事の従者。こんなに分かっているのにどうしても分からないのだ。「あなたは誰ですか?」不躾を承知でそう問いかけると、彼は意外なほど高らかに笑った。そうして楽しげに呟く。「誰だと思う」
私はある日ついに彼の正体を見つけた。異国からの客人と話す彼の目尻に様々な、安寧と諦観と歓喜と、本当に様々な感情を見据えた。すべてが凝縮されてひとつになり、そして『彼』に成っていることが私には、……。「ああ、資料か?礼を言う」……それでもあなたはもう我が英国のものなのだ。
(亜双義と巡査かなんかのモブ)

とある不可解な事件が身近で起こり、藁にもすがる思いで221Bと刻まれた扉を叩いたのが二日前。名探偵とその相棒のお二方はあっという間に事件を解決してみせた。何とお礼を言ったらよいか。ありがちな言葉でしか感謝を表せない自分を不甲斐なく思う私に、名探偵の相棒である医師の日本人が微笑む。「あなたの悩みが晴れて本当に良かった。彼、少し変わっていますがかなりの切れ者でしょう。ここに駆け込んだのは正解ですね」紳士的な語感とほつれのないクイーンズ・イングリッシュに感心の息が洩れそうになる中ふと名探偵にも視線を向けると、彼もまた少しぼんやりした瞳でこの紳士を見つめていた。そこで私は何気なく、彼の真実を見抜いてしまった。感情の居所が分からないまま外まで見送られる。別れの直前、ホームズ氏は私に言った。「貴女もなかなか聡明なお人のようだ。名探偵に向いているかも知れませんね」驚く私に微笑み彼は続ける。「しかしご心配なく。ああ見えて彼は案外ニブいのですよ」
(ホームズとミコトバとモブ)