「オレの名前は王馬小吉だよ!超高校級の総統なんだー。よろしくね、最原ちゃん!」
差し出された手をなぜか僕は凝視してしまった。握手をしろ、ということなのはわかるけれど、本当にしていいのかわからなかったからだ。彼の手のひらの上に乗る不可視の違和感から目が離せず、しばらくの間立ち竦む。
「ちょっと、早くしてくれないかな?あ、もしかして根暗だから人と握手なんてできないのかな?あちゃー、オレってば無神経だったね!」
明らかにこっちを煽るためのセリフだったけれど、それなりに苛ついてしまい半ば雑に王馬くんの手を握ろうとする。が、すんでのところで彼は手を引っ込めた。
「あは、ゴメンゴメン。嘘だよ!オレ人と握手するの大っ嫌いなんだよね」
にこ、と大げさなくらいの笑みを浮かべると、王馬くんは踵を返して近くにいたキーボくんの元に走っていった。たった一瞬話しただけでこんなに疲れる人間がこの世にいるだなんて、この学園に入るまで一生知らなかっただろうな。モヤモヤとした心を苦笑で誤魔化しながら、けれど心のどこか奥底で、彼が僕と握手をしなかったことに安堵していた。


本編の記憶がある最原が育成計画で暮らす王馬に違和感感じるみたいなアレだった
育成計画で最原と王馬が会話しないのスキだ コロシアイも謎も発生しない世界で交わる必要はないんだろうなー!そこを交わらせたい(強欲な壺)