「お前、ちゃんと薬飲んでんだろうな」
松田がいつもの数倍険しい顔をしてそう言った。視線の先には俺の脳みそのレントゲン写真がある。何がどうなってるのかは素人目ではとうてい分からないが、その雰囲気からして良い傾向にはないのだろう。
「飲んでるよ。朝昼晩欠かさずに」
「じゃあ何でこんなスッカスカになるんだよ。ああ元からか?」
「……そうかもな」
「御託並べてるヒマはねえんだよ」
机を強く叩き、威嚇するように俺を見る。かなりイライラしているらしい。嘘はついてないんだけどな、お互い信頼はゼロということみたいだ。
「じゃあ訊くけど、この薬って本当に副作用を抑えるためのものなのか?飲むたびに頭が痛くなるぞ」
「ああ、それでいいんだよ。効いてる証拠だ」
「おかしいだろ、それって!副作用を抑えるために飲んでるもので体調が悪くなるなんて、それじゃあ……」
「おいグズ」
そう言ってじろりと睨んでくる。松田は絶対に俺の名前を呼ばない。どうしてかと理由を聞いても答えない。自分自身がどんどんあやふやになっていくようで、こいつと喋るのは苦手だ。


お題「信用のない螺旋」でした
アニメで二人いっぱい会話してくれて嬉しかった〜(幻覚)