よくよく考えれば兄貴って何回俺の目を見たことがあっただろうか。覚えてないな。当たり前だ、数えたことなんてなかったからね。やあおデコくん、君は誰の目でもとてもまっすぐに見つめるね。こわいくらいに、困ったくらいにさ。その目で何人を殺してきたのだろうね。君の目を見るたびに僕はとても居心地が悪くなって、次に緊張して、最後にときめくよ。今も、どうだい。腕輪が反応してるだろう。僕の緊張が君にうまく伝わっていると嬉しい。おデコくん、好きだよ。愛してる。君さえいればきっともう何もいらないのさ。仲間も、音楽も、法律も、…兄貴も!法廷での兄貴の技をうまく身につけられたかい、おデコくん。たまに君はあいつにそっくりな目をしているよ。不愉快かな?でも怒らないでくれ、それは僕ができない瞳だ。僕が学んだものはあまりに不完全だった。その点君のものは、君によって研究された確実性で完璧に構築されているよ。僕はそんな君からこれからすべてを学ぶんだ。だからもう、兄貴はいらない。それどころか、君さえいれば何もいらない!よし、ドライブに行こう!海かな、山かな、どちらがいい?君の好きなようにしよう!君の望むとおりのすべてに僕がなってみせようじゃないか!ああクソ兄貴、獄中でいまどんな気分だ?もう泣いて詫びようが俺は俺としてお前を見下ろしてやろう!ファッキンブラザー!イエス!ファックトゥーザフューチャー!ははは!
「…あー、みぬきちゃん、冷水持ってきて」


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たまにメンヘラな検事のなだめ方を1年で習得したおデコくん