番長の名前が月森孝介
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「足立さん、好きです」
「僕も」
「足立さん、愛してます」
「うん、僕もだよ」
「足立さん、一緒に死にましょ」
「どこで死のうか」
「足立さん、」
「なに?」
「…足立さん、」
「どうしたの、孝介くん」
「…ごめ、ごめんなさい、ごめんなさい」
「ん?なにがかな」
「無理だ…俺、無理だ、死ねない」
「いきなりどうしたの」
「あなたと、あなたと死ねない、死ねません、」
「…死ねないの?」
「はい、…はい。死ねません…ごめんなさい、ごめんなさい」
「…そう」
「ごめん、なさい…」
「また繰り返しだねぇ」
「え、?」
「じゃ、もう一回がんばってよ。僕もがんばるからさ」
「え…?なんですか…?」
「次の周は僕をモブ扱いしてよ、メインヒロイン役はうんざりだからね」
「あだちさ、」
「じゃ、またね」

キュルキュルキュル。巻き戻っている。巻き戻っている?何が?

気がつけば電車に乗っていた。窓の外を景色が高速で流れていく。さっきまで俺は何をしていたんだったか。誰かと喋っていたような記憶がちらついたが、俺は一人でこの電車に乗ってきたし、この席の周りには誰もいない。記憶違いだろうか、それか夢を見ていたか。ああ、もうすぐ町に着くはずだ。景色の中でビルの姿がどんどん消えていく。果たして自分は新天地の空気に溶け込めるだろうか。緑に囲まれた生活の中に、無事馴染むことができるだろうか。そしてこれから衣食住を共にすることになる叔父さんや娘の菜々子ちゃんとうまくやっていけるだろうか。少々の不安が頭をよぎっていったが、考えても仕方ないと背もたれに体を預けようとした。そうしてまたあの部屋に招かれるのだ。


心中しましょしましょってしきりに足立さんに言ってるけどいざ足立さんに「いいよ(^-^)/」って言われたら尻込みしてごめんなさいできませんって言う番長はなんというか高校生らしくていいな って考えながらかいたらどうしてこうなる