「生まれ変わったら魚になりますのであなたは魚になった私を釣って王宮の水槽で飼ってくださいね」

懇切丁寧に来世の行動を指示する男は今俺の腕の中にすっぽり収まりながらさめざめと泣いていた。ぐすんぐすんと生娘のように涙を零すジャーファルを見つめながら、もうこいつに酒は飲ませないでおこうと密かに心に誓う。同時に酒癖の悪い自分はいつもこんな風に誰かに絡んでいるんだろうかと考え酒を少し控えようと決めた。ジャーファルのこぢんまりした頭を優しい手つきを意識してゆっくり撫でながら、どうして魚になるんだ、となんとなく尋ねてみせる。