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モブウツ未完(瀬戸内海)

いつものように川の前で座っていると、同じ高校の生徒が声をかけてきた。『おんなじクラスなんやけど、覚えてない?』まったく覚えていない。ごめんわからんわ、と返すとかなり残念そうな顔で眉を下げた。話しかけてきた意図が少しも見えず、何の用なのか尋ねる。すると相手は恥ずかしそうに両手を擦り合わせながら、気持ち悪いかもしれんけど、と前置きをしたあとにこう言った。
「LINE交換してほしいねん」
「なんで?」
「内海と話したいから」
「……なんで?」
男は視線を右往左往させたのち、『友達になりたいから』と絞り出すように呟いた。だからどうして俺と友達になりたいのかがわからない。俺と仲良くして何かこいつにいいことがあるのか。そもそも重大な要素として、俺はこの男に興味が湧かなかった。
「ごめんやけど、無理やわ」
「……ああ、まあ、しゃあないわな」
急にごめんな、と言い残し男は足早に去っていった。



モブくんは一年のときから内海が好きです(謎情報)
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