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ほぼ140字(大逆転)

最後以外ホームズと悠仁
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「さあミコトバ、今夜は踊り明かそうじゃないか!」真夜中の凍えそうに冷えきった倫敦市街地、目の前には上機嫌のホームズ。鼻の頭を真っ赤にしながら私に笑いかけてくる。普段なら断るところだが、私も存外酒に思考を侵されていたのだろう。掴んだ手は暖かく、夜空にはいっとう明るい星が光っていた。

「ミスター・ミコトバ。お手を取ってくださるかしら」長身の貴婦人が赤い紅を引いた唇を歪めながら私にそう尋ねる。言われるがままその手を取り礼儀として口づけると、真上から潜めた笑い声が洩れた。「ホームズ、演技を。さすがにバレますよ」「いや悪いね、キミの顔があんまりマジメなもんだからさ」
「しかし、見事なものですね。一見だけなら本当に見目麗しい女性にしか思えませんよ」「当たり前だとも、今のボクは高嶺の花そのものだ。今のうちに捕まえておいたほうがいいぜ、キミ」「捕まえるどころかこちらが捕まっている気がするのですが、気のせいでしょうか」
(依頼で女装したみたいな設定)

「私にキミを責める資格はありません」「私は産まれたばかりの娘を残して、この大英帝国に来たのです」「私は妻から、…キミの思い出から逃げようとしたのかもしれない」ホームズが不思議そうに私の視線を追う。彼の横に立つ妻の姿に対して、私は次いで口を開く。「キミはもうどこにもいないのですね」
妻は静かに微笑んだ。ホームズは立ち上がり、私の体を雑に包む。妻が死んでから初めて涙を流したし、この男がこんな風に人に気を回せる事を初めて知った。「キミらしくないですね」「泣いてる人間をあやすくらい出来るさ。赤ん坊だってあやせる」「私は赤ん坊ですか」「似たようなものだろう、お互い」
(SHERLOCK S4E2パロ)

「ホームズさんって昔からこうだったんですか?」「むしろ今は落ち着いたほうだと思いますよ。何せ昔はこれに若さのおまけ付きですから、それはもうはちゃめちゃな男でした」「ううん、『これ』とはどの要素の事を言うのか詳しく聞きたいもんだね!威厳?聡明さかな?」「想像しただけで恐ろしいです」

「この国では同性愛は犯罪だ。キミ、知ってたかい?」「ええ、知っていますよ。しかしあれはハッキリ言って悪法でしょう」「どうしてそう思うんだい?」「どうしても何も、人間を守るためにあるはずの法で人間の尊厳を踏みにじっているからに決まっているでしょう」「……ああ…そうだね。実に同感だ」

「昨日寝言で言ってた『アヤメ』って何だい?」「ああ……死んだ妻の名ですよ」しまった!と思うことは、いくら名探偵でもあるようだ。ボクは心の中で大きくしまった!と叫びながらパイプから出ていく煙越しにミコトバを見ていることしか出来なかった。穏やかに笑うキミを、ボクは傷つけてはいないか、今。

晴れて我が家にやってきた可憐な法務助士をじっと眺める。ミコトバの娘、そう言われてみれば確かに意思の強い瞳がよく似ていた。「あ、あの、ホームズさま?」彼女は当惑した様子で眉を下げる。こういう表情も少し彼に似ている。肩越しにミスター・ナルホドーがそわそわとこちらに目をやるのが見えた。

「忘れられたくないの」ハオリさまはわたしの服の袖を掴みながら真摯な眼差しをこちらに向けた。「あたしの勘違いなのかな?わからないけど、確かにこの気持ちはここにあるんだって覚えていてほしい。忘れられなければそれでいいの。すごく、自分勝手だけど」「ハオリさま?」「寿沙都ちゃん、あのね、
(スサハオ)

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