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龍アソ未完(大逆裁)

「……苦っ」
向かいで小さく声がした。その主の顔を盗み見ると、男は眉を顰めちろりと舌を出している。苦渋の色に塗られた視線は手元の珈琲へと向けられていた。
「ごめん、砂糖取ってくれ」
ゆるく頭を振りながら、成歩堂がオレの傍にある角砂糖の幾つか入った硝子瓶を指差す。望みどおり瓶を向かいへ差し出してやると、心底感謝していると言いたげな「ありがとう」が返ってきた。
「そんなにも苦いのか、此処の珈琲は」
「いやあ、人はどうか知らないけど。ぼくは苦いの、あまり得意じゃないから」
「ほう」
そう会話をしているうちにも成歩堂は砂糖を三個程掴み黒い海へそれを次々に落としていった。オレも甘いものは時折嗜むが、今目の前で繰り広げられている甘味の創造ほどにそれを求めようとはあまり思わない。その考えが知らず知らずのうちに表に出ていたのか、成歩堂がオレを一瞥したのちに困ったような笑みを浮かべた。
「おまえもたまにじゃなくてもっと糖分とればいいのに。頭が働きやすくなって良いぞ」
「まあ、そうだな」
「なんならこれちょっと飲むか?」
そう言ってカップをこちらに向けてくる。一瞬耳を疑った。何を言っているのだ、この男は。


お題「コーヒーと軽犯罪」で間接接吻だね///みたいなアレでした
でも亜双義の机になんかシベリア的なものあったよな 切腹
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