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主モナ(P5)

「ワガハイはいつか絶対に人間になるぜ」
冬の冷たいアスファルトに肉球をつけながらモルガナが言う。その横を歩きながら、うん、と小さく頷いた。
「モルガナならなれるよ」
「当たり前だ!」
ふふんと得意気に笑うモルガナの口から白い息が漏れた。寒いだろうなと心配になる。ポケットに入れた俺の手も氷のように冷たかった。もし同じくらいの背だったら、寄り添って歩けるのに、と思う。モルガナが人間になったら手をつないで歩けるし、俺が猫になったらぴったりくっついて暖めてあげられる。でも今はどうすることも出来ない。……今日はいつもよりいちだんと寒く感じる。
「俺、猫になりたいなあ」
「へえ、オマエ変わってるな。まあ猫も悪くはないけどな」
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