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龍アソ(大逆裁)

現パロ
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コンビニエンスストアから高らかに出店音が響く。AM2:00、眠気を通り越した脳は夜空を瞳に楽しませていたが、反射的に音のほうへとそれを向け直した。開く自動ドアから男が現れる。切り揃え整った利発そうな髪に、寄せられた眉、真っ直ぐに澄んだ瞳、引き結ばれた口元。男前、と評してまったく問題はない。それはぼくの親友だった。そいつがちいさく吐いた息、夜の闇に煙のように漂う。マフラーに首もとを守らせたぼくは、温もりに敏感になっていた。
今日はキサマの家に行く。そう切り出したのは亜双義だった。ぼくは少し考えて、うん、と簡素な返事を投げた。どうして考えたかというと。ぼくは亜双義に、おそらく友情以上の感情を持っていたからだった。亜双義も、見るかぎりはぼくと同じ想いを持っていた。けれど何があったというわけではない、何を起こすというわけでもない。ぼくたちはただ親友なのだ。これまで幾度も互いの家に泊まりあってきた。今さら、なにかが変わるなんてことはありはしない。そう自分に言い聞かせた。
ビニール袋をひとつ手に提げた亜双義がぼくを見ている。コンビニに寄ろうと行ったのはこいつだった。酒を買うのだろう。ぼくたちは普段、毎度必ずと言っていいほどの頻度で互いの家で酒盛りをするから。そう思って待っていた。ビニール袋の中身、果たして何本入っているのだろうな。考えて、茶化してやろうと目を凝らす。凝らすのだけど。
「行くぞ」
亜双義はまるで平常どおりの声でぼくにそう言った。ああ、と、上擦る言葉が宙を漂う。酒だと思っていたその袋の中、見えたのはひとつの大きなパックだった。アップルティー、と書いてあり、大きな林檎の写真が印刷されている。ああ。……酒のせいに、しないのか。そう漠然と思った。



お題「とびだせ紳士」でした
まっっったく書いた記憶なくて草

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