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龍アソ未完(大逆裁)

首筋を強く吸えばはっきりと赤が色づいた。梅のように咲いたそれを指先でなぞると、背に爪を立てられる。痺れを残して離された手はぼくの顔の前へと回り、そのまま勢いよく額を弾かれた。
「痛ッ!」
頭がぐわんぐわんと揺れて、目がちかちかした。亜双義は呆れたような眼差しをぼくに向けながら吐息混じりの嘆息を溢す。
「キサマ……」
「な、何だよ」
「ここだと隠れんだろう」
そう言って首の痕を触る。ああ、確かにこの部分だと詰襟より上に付いてしまっている。虫刺されだとでも言えば妙な噂は立たないと思うけれど、可能性を作ってしまったことが申し訳なくて「ゴメン」と謝った。すると亜双義はゆるりと 表情を綻ばせる。
「厄介な虫に刺された、とでも言っておこう」
「……厄介か、ぼくは」
「存外厄介だ。……目を閉じろ」
言われた後、頬に手が添えられる。素直に目を閉じると、唇に柔い感触が降ってきた。と思えば人差し指で頬を二度叩かれ、なんとなく得心したぼくは薄く口を開く。すると、そのまま舌が差し込まれた。熱くぬめったそれに口内を蹂躙され、頭がぐずぐずとあまく溶かされていく。 さんざん楽しまれたあとに口が離されると、互いの唇の間に粘ついた糸が引いた。情欲に濡れた瞳を携えた亜双義が不敵に口端を歪める。辛抱たまらないとは、まさにこういう気持ちのことだろう。亜双義の胸の突起のあたりに手を伝わせ、ツンと尖ったそこの周りを指に回らせる。喉仏に舌を這わせながら突起をぴんと弾くと、上の唇から微かに息が漏れた。
「……おまえはぼくに痕をつけないよな」
鎖骨に吸い付きながらそう呟く。亜双義はぼくに痕をつけたことがない。ぼくばかりこうして亜双義の色づけて、自分はまっさらな体のままだ。痕か、と、亜双義は口にする。


オチくん涙の脱走
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