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龍アソ龍(大逆裁)

「起きろ成歩堂、世界が終わった」
(おそらく)朝、いつものように洋箪笥が開いたと思えば、いつもとおんなじ顔をして親友がそんな頓狂な言葉を吐いた。果たして亜双義はこんなにも冗談が下手なやつだっただろうか。もうすこし突飛は抑え気味だったと思うんだけれど。そう思いつつまじまじと光を背負った友の相貌に目を凝らす。まったくの真剣な表情。嘘なんて欠片もついていないかのような、ひどく澄んだ瞳。それが音もなくぼくを射抜く。あれ、本当に終わってしまったのかしら。ある日突然、前触れもなく?
「外は最早ただの荒れ地だ。人が出られる状況ではない。この洋箪笥が、いま世界で一等安全な場所だ」
だから決してここから出てはならないぞ。なんて、子に言い聞かせるように話す。ぼくはなんと答えていいかわからず、とにかくひたすら亜双義を見ている。その目は逸らされない。おしまいなのか、本当に。
「わかったよ」
なんとかそう絞り出し、何故かはわからないがぼくは笑った。亜双義も、ぼくに応えるように笑った。いつかは出られるのか。そう訊くと、友は小さく首を振る。
「ここにいてくれさえすれば、オレが未来永劫キサマを守ってやれる。大丈夫だ、生涯離しはしない。死ぬまでオレの傍にいれば、ただそれだけでいい」
そうか。ぼくは呟いて、亜双義から目を逸らした。世界が終わった。もしかしてそれは、ぼくのせいかな。なんとなくそう思った。


終わったのは一真ックスの理性ですという話
確か脳内で相対性理論の小学館をかけながら書いていた
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