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龍アソ(大逆裁)

※口紅プレイ的なアレ
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ぼくの部屋のベッドの上。組み敷いた亜双義の唇に、ぼくは慎重に赤を塗りつける。それに対して、亜双義はずいぶん不愉快そうな顔をした。確かに妙な感覚だとは思うけど、だからってそんなに眉を寄せなくても。
「なんのつもりだ」
「いやあ、似合うかなって」
ぼくに塗られた口紅を、亜双義は唇同士をくっつけたり擦り合わせたりしながら確かめる。おかげで赤色がまんべんなく唇に乗って、より鮮やかで扇情的な色味をその顔に宿した。
「……しかも何故キサマも塗っている」
「いやあ、ぼくだけつけてなかったら怒るかなって……」
はあ、とため息をひとつつかれる。呆れられているなあと思いつつ、息を吐くその唇につい目が向いてしまう。蹂躙してしまいたい。色も消し飛ぶほど。
亜双義はぼくの目を見つめ直して、そのあと唇に目をやる。しばらくそこをじっと見つめていたかと思うと、不意にぼくの腕をぐいと引っ張った。うわあと我ながら間抜けな声を出して引き寄せられた先には、亜双義の顔が間近に存在していた。どきりと脈打つぼくの鼓動もお構いなしに、亜双義はぼくの唇に指を這わせる。そしてそのまま口紅をぐい、と横に引き伸ばされた。
「キサマは赤が似合うな。可愛らしいぞ、成歩堂」
そう言って亜双義は不敵に微笑んだ。歪む唇が赤を際立たせる。目眩のように頭がくらくらとして、導かれるようにぼくは亜双義の赤に自らのそれを重ねた。噛みつくように中を暴いて、無我夢中で互いの色を混ぜ合う。果たしてどちらがどちらの色だったか、もうわかりはしない。
「亜双義は、かっこよくてきれいだ」
口を離したすきにぼくがそう告げると、亜双義は柔く微笑んだあとにまたぼくの頭を引き寄せた。
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