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ジョナディオ未完(ジョジョ)

「愛してるよ」
降り落ちる金の価値をお前は考えたことがあるか?ないよなァ、だってお前の手元にそれはいつも散らばっていたんだから。お前は恵まれた環境で、金と共に育った男だ。欲しいものはなんんでも買ってもらったんだろ。時計だって犬だってなんだって、ばらばらばらばら降ってくる。おれの周りの金はいつも舞い上がってゆくばかりで、おれが跳びでもしなければ掴めやしないのに。つまりお前とぼくの価値観ってのは天と地ほど違うんだ。もちろん跳んだおれが天、ただそこにいるだけのお前が地だぜ。おれが天に立ったからにはもうお前に価値を降らせたりはしない。だからその言葉だってお前にとっては最大級の愛の表現なのかもしれないが、おれには道端の糞程度の価値しかないんだ。なにが愛だ、本当にお前はばかばかしいことしか言わないんだな。
「それをわざわざぼくに言ったってことは、ぼくに愛されたいってことかい」
「よくわからないけど、そうかもしれない」
「じゃあ君、金になってくれよ」
「え?」
「…いや、なんでもないさ」
おれは将来大金持ちになる。そのためにはたくさんの策略を練らなければならない。こんなやつに構っている暇も惜しいくらいに、時間がないのだ。ジョジョから奪った時計がかちかちと秒針を進めている。どうして人生は100年ぽっちしかないのだろう。こいつとくっちゃべっているだけで100年が終わったらどうしてくれるんだと、考えるだけで指先がかゆくなった。
「すまないけれどぼくは君のことをなんとも思っていないよ」
「…そうかい」

クルスニク兄弟(TOX2)

なんとも清閑な部屋の中に、求人誌をひたすらめくる音だけがただ響いている。時は夜の上を滑り始めてからもう幾ばくかは経ち、日付は軽くまたいでいるだろう。いま家には俺ひとりしかいない。兄さんは今日、飲み会という仕事に駆り出されてしまったのだ。兄さんは飲み会というものはあまり好きではないらしく、けれどとある同僚の人のはからいで強制参加を決められてしまったらしい。おかげで普段たいていのことは涼しい顔をしてこなす兄が、今回ばかりは昨晩から嫌だ嫌だと珍しいくらいに愚痴っていた。だから今夜兄がどんな有様で帰宅するのかが予測できず、少し心配が募る。そのために今まで起きているというわけでもないが、眠気の来ないうちは待ってみてもいいか、と考えていた。それにしても、よく頑張ってるなあ。明日の晩ご飯は何か兄さんの好きなもの、具体的に言うとトマト料理を作ってやらないと。
ガチャン、と扉の開く音がした。兄が長きに渡る飲み会の果てにようやく帰宅という名の栄光を掴んだらしい。時計を見れば、時刻はもう2時へ向かおうとしているところだ。昨日の愚痴に対して充分すぎるほどの働きを見せてきたと思われる。酔っぱらったファンの人たちの相手や大嫌いだと常々ぼやいている同僚の人の絡みには見事耐えられたと見ていいだろう。俺は読んでいた求人誌を机に置き、なんだか賞でも贈ってやりたい気持ちのまま、玄関に目を向けた。ただいまさえ口にせず無表情でその場に立つ兄は、どこからどう見ても疲弊しきっている。すぐさま立ち上がり、急いでそっちに足を向けた。未だ感情を示さない兄さんの前に立ち、その手に持った鞄を渡してもらうために片手を突き出す。
「おかえ、」
そこで同時に兄さんを見上げおかえりと言おうとした、のだが、それを最後まで口にすることは何故か叶わなかった。突き出した手を掴まれ、強い力でぐいと引き寄せられる。その後に少し遅れて、唇に柔らかい感触を感じた。床に鞄がどさりと落ちる音を遠くに聴く。目の前が暗い。両腕を掴む手はすこし熱を持っている。俺にはあまり馴染みのないその出来事に、思考がぴたりと停止した。いったい何が起こったのか頭でも体でもわからない。
「…ただいま」
すこし掠れた、眠そうな兄さんの声が聞こえた。それは一音ずつ俺から離れていき、それに応じて両腕を掴む手がずるずると下に降りていく。それをただの感覚として認識するしかなす術がなかったが、やがて兄さんの重い体が床を振動させながら横たわったことにより、ついに俺は事態を把握し自覚を取り戻した。すやすやという心地よさげな寝息が耳に届けられる。キス魔野郎が熟睡の体制に入られたご様子だった。
「……おい、寝るな!ファーストキス返せ!」

小ネタ詰め

息も絶え絶えに走っていた。僕は僕という存在を失ってはならなかったのだろうか。見えるものすべて、なにか足りない。あの一夜は僕のすべてを塗りかえてしまった。ただつまらないというだけの日々に戻りたくて、その為なら君をも殺さねばと、僕はきちんと選びとったはずだったのだが。
(主綾)

ルドガー:ガイアスがルンバに餌あげてた。「小さく切れば食べられるようだぞ」って。
(コピペネタ)


ルドガー「松崎しげるかと思ったらタイムファクター化した兄さんだっt…う、うわあああああああ」
(コピペネタ)


「窓を閉めてくれないか」絶望した。兄は外の光が眩しかったのだ。それにすぐに気づいてやれないなんて、俺は弟失格だ。「ごめんな、ごめんな兄さん、すぐ閉めるから」「…ああ、泣くな。泣かないでくれ。ごめんな」「これからはちゃんと閉めるから、だからずっと一緒に、」「うん、いるさ。…いるさ」
(クルスニク兄弟)


どうせ兄弟なのだ。血が繋がっているということに変わりはないのだから、いっそ兄の命をこの腹に宿したかった。産まれてきたらたくさんかわいがって、愛しているよと毎晩囁いてやるのだ。兄がそれまで感じたことのないような、強烈な生への喜びを、他でもないこの俺がその身に植え付けてやりたかった。
(ユリルド)


「足立さんが悪いんです!足立さんが俺のこと特別みたいにするから、俺どれだけ苦労したか、あなたわからないでしょう!それでもあなたがいたから幸せで、でも、あなたを捕まえることが俺の目標で、だって俺、特別だから…だからあなた、わからないでしょう!」「喧嘩売ってんの?」
(主足)


「すごいすごい、よく…」拍手が鳴り止まない。今まで別れてきた何人もの足立さんが、俺に拍手を送っている。ええ、すごいでしょう。俺はがんばった。あなたのために。あなたの未来のためだけに。けれど幾億もの足立さんは、結局次には俺を否定する。また裏切られた。
(主足)


弱い手を振り切って逃げた。あの手より自分は弱いと思えて仕方なかった。滑稽だ。11歳も下のガキに本気で怯えている。奴に銃口を向けた時のあの俺を見る目。全てを取り込むように広がった闇が精神を蝕んでいくような。逃げたい、逃げたい、けど、…ああ!母さん!
(ジュアル)


「ああ、いやだね!」ゼロスは憎いものでも見るような目で俺を睨んだ。そんな顔は初めて見た。いや、見せないようにしてたのか?俺にすがったあの時のお前って、いったい誰だったんだよ。ああ、信じてやらなくちゃいけないのに、信じてやらなくちゃいけなかったのに。
(ロイゼロ)


夢を見た夜飛び起きて、しまった、と思った。俺たちはもう手遅れではないか。隣で寝ていた兄さんを揺さぶり起こしてそれを伝えると、兄さんは寝かしつけるかのように俺の頭を撫でて、また新しい夜を始めてしまう。ひどく困ってしまった。
(クルスニク兄弟)


「桜の木の下には死体が埋まってるらしいですよ」「今それ言うか?」優等生は笑って黒い筒を脇に抱えた。落ちる桜を掴もうとしているようだ。俺も真似をして落ちる桜を待った。うまく掴めない。「もっと一緒にいたかったな」隣でジュードがそう呟いた。結局、何も掴めなかった。「…卒業おめでとう」
(学園アルジュ)


「ディオ!」その体、その魂、やっと手に入れたのだ。貴様はもうわたしの中の一部でしかない。ジョナサン・ジョースターの命はこのディオの手に掴み取った。おまえはもうわたしから離れられないはずだった。はずだったのに、ああ!何故だジョジョ!何故おまえは、おまえの血は、流れることを止めない!
(ジョナディオ)


異常気象だと笑う兄の肌が一月前より焼けている。焼けたねと言うと兄さんは恥ずかしそうに眉を下げて頭を掻いた。「お前も前よりずいぶん焼けたよ」「やっぱり?」「うん」手の甲をとられ、宝物でも触るみたいに優しくさすられる。重なった手がいささか暖かすぎた。「暑いな」「ああ、うん、熱い」
(クルスニク兄弟/夏が来たトリグラフ)


「幸せだな」ルドガーも俺ももうそればかり口に出すようになった。おはよう、幸せだな。いい天気だ、幸せだな。ご飯何にしようか、幸せだな。ごちそうさま、幸せだな。いい湯だったよ、幸せだな。おやすみ、幸せだな。そうしてまた朝が来る。朝日が昇るたび、言わなければと思う。幸せだな。幸せだな?
(クルスニク兄弟)


「ああユリウスくん!任務明けか、ズタボロだなあ!いいね、最高だよ。最高だ!愛してるぜ、お前のその不愉快そうな顔!」「リドウ」「あ?何かなマイハニー」「俺も愛してるよ」そこでユリウスは思いきり俺を投げ飛ばし、俺の背中を踵で踏みつけたのだった。「お前のその地べたに這いつくばってる顔」
(ユリリド)


「キスをすると子供ができるらしい」だなんていう、僕の知っている知識とはずいぶん違った情報を急に振りまかれた。子供だからって知らないと思ってるんですか。そう反論しようとした次の瞬間、唇に柔らかい感触が一回。驚いた僕を見て彼は一言「責任は取る」と。もう何が何だかわからない。
(主天)


「娘さん元気か」そういう他愛もない会話にどうにも複雑な感情ばかり過る。でもその台詞できっといいのだ。愛しているぜ。「超元気よォ。そんで何よりキャワイーの」「そりゃあいいな」「一回ウチ来いよ」「いつかな」そう言っていつものように目を逸らす。一生来ないつもりかも知れなかった。
(ジョセシー/夢の中)


「ユリウス、大嫌いなお父さんとおんなじことしちゃったな?どうしようか、責任とって結婚する?はは、歳もちょうどお父さんとお母さんの年齢差に近いしさ、いいかもな。あれ、泣いてるのか?ああごめんな怖かったな。大丈夫、俺はコーネリアじゃないよ。あんたはどうしたってビズリーの息子だけどさ」
(分史ユリルド/分史年下兄さんと既成事実作ルドガー)


「愛してる」「うん」「お前は俺のすべてだ」「うん、兄さん、ご飯食べよう。ご飯食べような…」
(クルスニク兄弟)


「エルたそは今日もステキに無敵でキュートだな」「…お前20歳の頃もエルに対してそうだったの?」「貴様ァ!!今私のエルに対してのときめきとエルたそに対しての崇拝を一緒くたにしたか!?」「あっエル厨怖い…ていうかお前今ときめきって言ったか?8歳のエルに対してのときめきって言ったか?」
(パパ合戦)


「なあヴィクトル」「気安く話しかけるな。…何の用だ」「10年後のノヴァって…その…結婚とか…」「ああ、24歳でしたと聞いた」「マジで!ちなみにヴェルは!」「26で職場結婚だそうだ」「あっ…辛い…なんか意味もなく泣きたい…」「気持ちは分かる」
(パパ合戦A)

 

ジュルド(TOX2)

最近ジュードが気になる。とてつもなく気になる。そしてそのことで俺はものすごく心を乱されている。そう、ただ様子が気がかりだとか、そういう理由ならよかった。本当によかったのだ。しかし俺はジュードのことを、友人のジュードのことを、恋愛対象として気にかけているようなのだ。たまに見せる、男にしてはずいぶん柔い印象を相手に与えるその仕草、困ったときに下がる眉、控えめにあるきれいな唇、しかそれらに埋もれない強さを放つその意志など、何かもうとても、放ってはおけない。邪な意味で放ってはおけなくなってしまっている。いや、考えろ俺。ジュードは男だぞ?なんだかすごくかわいらしい時があったりもするが、れっきとした男なんだぞ?俺は自分がゲイだとは思ったことがないし、実質違うはずなのだ。町中で歩いているときに目が行くのも普通に女の子の方向だし、自室であれやそれするときも女の子の写真を使う。だからジュードへのこのときめきはおそらく、きっと、絶対、気の迷いなはずだ。やはりほら、あいつが放つ独特の中性的なような甘いオーラにあてられているのだろう、俺は。うん、そうに決まっているのだ。第一、仲間であり友人であるあの努力家の少年にそんなピンク色な思いを向けるだなんて間違っているのだから。あいつのためにも早く元の調子に戻らないとな。なんて自問自答の末の自己解決をするのは今日で5回目だった。何度も同じことを解決しているということは、つまり解決していないのだ。はあ、とため息を一つ吐いた。
「ルドガー」
そのとき、真横から声がした。心臓が跳ね上がる。あの声だ、俺を乱す渦中の友人の声。恐る恐るとそちらを見るとそこには俺をそっと見上げるジュードがいるではないか。ああ、足音とか、ぜんぜん気づかなかった。
ジュードは、何度も言うが上目遣いで、俺を心配そうに見ていた。ため息が聞かれていたらしい。案の定「大丈夫?」と声をかけられてしまう。心配してくれるのは本当に嬉しいのだが、申し訳ないことにお前は悩みの種なのだ。
「平気だよ」
微笑みながらそう言って安心させるためにジュードの目を見たが、その見上げる視線にまたときめきがせり上がってきてしまった。慌てて目を逸らすが、明らかに挙動不審だ。ジュードからこちらに向けられる心配もおそらくより強いものになっている。ああ失敗した。だめ押しで「本当に大丈夫だから」と伝えようと、逃げたくなる衝動を振り切ってまたジュードを見る。しかしちょうどその瞬間、自分の手に手が重なった。ジュードが俺の手を、慈しむようにさすっている。ルドガーは頑張り屋だから、なんて、母のように囁きながら。
「疲れることもたくさんあるでしょ?でも君はそれ以上に気遣い屋だから、仲間にはそういうこと絶対言わないよね。でも、本当につらいときは言ってほしいんだ。みんなで力になるから」
いや、とか、あの、とか言葉にもならない呟きたちが戸惑いながら口から出ていく。ジュードの目は真摯に俺を捉えていて、それはとてもきれいだった。直視できないくらい眩しいのに、どうしても目が離せない。そんな極限状態の俺に、極めつけの一言が投げられた。
「それに僕は、ルドガーのこと大好きだから」
大好きだから。だいすきだから。だいすきだから…。
時間が止まったかと思った。いや、心臓は止まったかもしれない。ともかく、俺は完全な自覚を手にしてしまったらしい。性別だなんて些細なことはもう悩みの範疇から逃れてしまった。好きだ。俺もお前が大好きだ。完全な下心を持って、そう断言できてしまえるのだ、俺は。
「ね?だから、一人で悩まないでね」
「僕たちは仲間なんだから」
けれどすぐに困ってしまう。そうだなあ、仲間だ。お前にとって俺はどうやら、大切な仲間でいられている。それを裏切るようなことが俺には出来そうにない。それにお前には大切な人がいるのだろう。勝てる気も何も、戦う気さえ起こらないほどの強くて勇敢な想い人が。早くも失恋かな、笑えないな。ハハハ。
「ありがとうな」
「ううん、何もしてないよ」
「いや、してくれたさ」
本当に、いろいろと。暗に込めて言葉を紡ぐと、ジュードは純粋に笑ってくれた。うん、困る。やっぱりかわいいのだ。
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