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花村と足立(P4)

花→主→足
※花村が病み気味
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「よくよく考えてみたら」
「兆候はあったよ」
「あいつ、たまに申し訳なさそうな目で」
「俺のこと見てたんだ」
「そのときに、訊いてやればよかったんだよなあ」
「何かあったのかとか」
「悩みがあるのかとか」
「誰かに脅されてるのか、とか?」
「訊いてやればよかった」
「あいつ、きっと俺のせいでこんなことになっちまったんだな」
「あんなに頼りがいのあるヒーローだったのに」
「今は見る影もない」
「悲しいですよ」
「あいつが、リーダーをやめたことについては、俺はまだ納得できてるんですよ」
「疲れたんなら、嫌なら、やめたっていいと思ってるんですよ」
「だってあいつ、まだ俺らと同じ高2だし」
「重荷とか、そういうの感じることもあると思いますよ」
「でも、おかしいですよね?」
「リーダーに疲れて、もう嫌で」
「あいつはリーダーをやめた」
「それだけで、もうこの問題は片づいてるはずじゃないですか」
「それがなんであいつは」
「あんたなんかのとこに行ったんだ」
「おかしいですよね」
「あいつ、たまに変なミスしたり、間違えたりもするけどさ」
「こんなバカやるようなやつじゃないんですよ」
「おかしいですよね?」
「…まだわかりません?」
「じゃあ率直に言わせてもらいますけど」
「お前、あいつのことそそのかしたんだろ?」
「おかしいんだよ、どう考えても」
「あいつがお前なんかのとこに行く理由が、必要が、可能性が、意味がないんだよ」
「なのにあいつ、あんたの傍にいますよね?」
「お前の傍にいるんだよな?」
「おかしいですよね。これおかしいですよね」
「あいつが自分の意思であんたんとこに行くわけないですよね?」
「あ、もしかしてあんた」
「あいつのこと脅してんじゃねえの?」
「ああ、そう!そうだったんすか!」
「あーそりゃ納得だわ、はは、なるほど」
「そう来たらもう、決心つきました」
「殺しますあんたのこと」
「俺だってこんなことしたくねーんすよ?」
「ただ、あいつが絡めば話は別だ」
「もうなんの話も関係ねえわ」
「足立さん死んでくれよ」

最近の高校生って、血の気が多いんだなあ。銀色に光る奴の殺意を正面から浴びながら、しみじみとそんなことを思う。結論としては、奴のそういうヒステリックは僕にとってわりとどうでもいい事柄だった。無味乾燥な感想しか湧いてこないのだ。殺したいなら殺せばいい。そうしたら君の大好きな彼も喜ぶよ。たぶんね。
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