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好きな人がいるんです、と僕に告げたバーナビーさんは世界中のどこを探してもこんな人はいないと断言できるほどにうつくしく、幸せそうであった。でも幸福を湛えた笑顔の中には確かに悲哀と呼べる感情も含まれていて、ああ、報われない恋をしているのだろうか、と直感的に思う。恋をすると他では得られない充足感と共に途方もない寂寥感が押し寄せてくるものだ。恋愛経験はさほど多くない僕だが、それぐらいは理解していた。しばらくの間のあとに放った彼の言葉は、予想通り、悲恋を憂う内容だった。