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主足(P4)

「菜々子がしにました」

ああそうなの。へえ。それはお気の毒に。で、それがなに。どうしたの。心配しなくてもお葬式にはちゃんと出るよ?少ないけどお金もちゃんと出すし。さすがに一人娘を亡くしたばっかりの堂島さんにすぐ仕事に来いなんて言うつもりもないよ。え、なに、違うの?そんなことを求めてるんじゃないって?ああ、悲しんでほしいのかい?可哀想に可哀想にって、わんわん泣いてほしいのかい。そうだね、僕は菜々子ちゃんのこと嫌いじゃなかったし、涙の一滴ぐらいなら零せそうだ。ちょっと待ってて、すぐ出すから。え、これも違うの?じゃあなに、僕にどうしてほしいの。ちゃんと言ってくれなきゃわからないよ。

「ただ、話を聞いてもらいたかっただけです」

ふうん、そうなの。変わってるね、僕なんかに話を聞いてもらいたいだなんて。僕はしょせんただのへっぽこ刑事なのに。君にそんなに心を開いてもらえるようなことをした覚えもないんだけどなあ。勝手に懐かれてもちょっと困るな、なんか気味悪いから。それに僕ね、子供嫌いなんだよ。ごめんねえ、君の考えてる足立透はこんなんじゃなかったんでしょ。ドジで間抜けでへらへらしてて、バカみたいに優しい刑事さん。そんなイメージだったんじゃないの。え、違うの?僕の本音も本性もとっくに知ってた?え、うそぉ、うまく隠してたつもりだったのに。やだなほんと君きもちわるい。寒気がする。ん、どうしたの、なんで泣いてんの。あ、まさかショック受けちゃった?やー、ごめんごめん。ちょっと言い過ぎちゃったかなあ。ん、また違うの?じゃあなんだって言うのさ。え、悲しい?寂しいって?あと、なに、虚しいの?へえ、そっか。それでそんなことを言ってけっきょく君はどうしたいの。

「俺も今からしぬんです」

ああそうなの。へえ。それはお気の毒に。あ、なんなら今ここで泣いてあげようか?せめてもの供養ってことでさ。ああでもごめんね、僕君のこと嫌いだから泣けそうにないや。


1周目はノーマルエンドいけたのに2周目で何かを間違えてバッドエンドにいっちゃった番長が足立がすべての元凶って知ってるのに追いつめられなかった悔しさうんぬんで自暴自棄になってるって話 説明乙…^^

足立独白未完(P4)

朝はにっがいコーヒーを2杯飲んで、毎度おなじみ電車の発車時刻にギリギリ間に合うか否かの時間に走って出勤。吊革とおてて繋いで、丹念にアイメイクを施す非常識なOLを見下げながらゆらゆら揺られて目的地へ。満員電車とさようならをしたら、あとは腕時計とにらめっこしながら足元に気をつけて全力疾走。しかしたまに転ける。ボロボロになりながらすいません遅れましたと署全体に響き渡るほどの大声で叫んだら、奥の事務机からひょっこり現れる堂島さん。

主花未完(P4)

やめろって、何回も言ってんのに。いやだの一点張りで動かす手を止めることなんて知らないこいつをさてどうしてくれようか。じゃれあいと言ってしまえばそうかも知れない。知れない、けどさ。なんとなくやらしい手つきに感づいてしまえば、笑うこともできなくなってくるわけで。テントと毛布の下に潜む砂利が間接的に背中に痛みを与えるような、こんな場所でこいつは何を考えてるんだ。固定された両手が解放される見込みはないし、体を捻って逃げようとすれば背中に僅かな痛みが走って逃れようにも逃れられない。助けを呼べばいいのかもしれないが、こんな男同士でくんずほぐれつしている場面、できるなら見られるのは避けたい。それに何より、ヘルプを叫ぶ必要性はあまり感じられなかった。どうしてかは、なぜか俺もわからない。

主足(P4)

僕は青春時代を借りてきた猫のように大人しく大人しく反抗もせず虫よりも小さく酸素を吸いながら過ごしてきたんだよ。君と違って将来の役に立ちそうもない数式の羅列を白い紙に書き綴って勉強がお友達とでも言うかのように問題集と見つめ合いながら細く細く二酸化炭素を吐いて生きてきたんだよ。君はこの前学年トップをとったらしいね、堂島さんから聞いたよ。あの人ね、嬉しそうに君の優秀さについて話すの。笑いながらそれに付き合う僕の口内は反吐の溜まり場と化してたよ。僕さ、君が勉強してるとこ見たことないんだけど。放課後はいつもお仲間たちと仲良く遊んでるよね?事件についていろいろ嗅ぎ回ってたりしてさ。でもそんなことばっかりしてるのにテストではひょいといい点とっちゃうんだ。君いつか死に物狂いで勉強してるクラスメートの誰かに刺されるよ。まあ安心してよ、その前に僕が君を殺してあげるからね。なんか君って見てるだけですっごい腹立つんだよね、なんでもそつなくこなしちゃって、いつも人に囲まれてて、青空がよくお似合いでさ。僕ね、そういう奴大嫌いなの。だからかなあ、この場所すっごい赤いでしょ。君に全然似合わないところをわざわざ用意してあげたんだよ。はは、こんなとこが死に場所になるなんて可哀想だねえ。でも君なんかより僕のほうがずっと可哀想さ。昔から勉強ばっかり強要されてやりたいことなんて全然できなかったし、やっと刑事になったと思ったらちょっとのミスでこんなド田舎に左遷されて。涙なしには語れないねほんと。そのへんの視聴率を意識してるのバレバレなドキュメンタリーよりよくできた不幸話だ。ほら、同情したでしょ?じゃあ同情がてらに死んでよ。お優しいリーダーくんならそれもできるだろ?ほら、ねえ、早く死ねよ!ああもう顔を見るだけで吐きそうだ!

「バッカみたいですね足立さん」

バカだって?何が、どこが!僕の何を知ってどこを見てそんな根拠もクソもないことを言ってんだ!バカは君だよ、大バカだよ君は!ああもう僕完全にキレちゃった。君には特別に警察のシンボルを使ってあげようか。ほら、重そうでしょ、怖いでしょ。これ一つあれば君の命なんて簡単に奪っちゃえるんだから。ああほら、君の頭に銃口が向いてるよ!おら、もっと間抜けなツラ晒したらどうなんだ!なに笑ってんだよ君は!

「引き金も引けないくせに何してんですか」

引けないくせにってなんだよ、引けるに決まってんだろ!僕は刑事だよ?バカにするのも大概にしろよこのクソガキが!ああ、撃ってやる、撃ってやる!てめえ動くなよ当たんないだろ!

「もういいでしょう足立さん」

はー、とため息を零す目の前のクソガキ。くそ、くそ、くそ!こっち来んなよバカが!これだから低脳は駄目なんだ、本当に撃ってくるわけないだろうとか思い込んでやがる!ああわかった、大人怒らすとどうなるか思い知らせてやるよクソガキ!くっそ引き金すごい重いんだけど!くそ、くそ!なんで引けないんだよ、なんで弾出ないんだよ!

「ほら、やっぱり撃てないんだ」

うるさいやめろ!撃てるよ、撃てないわけないだろ!くそ、ああ、なんで、なんで撃てない、くそ、なんだよこれ、くそ、

「可哀想ですね、足立さん」

本当にかわいそう。そう言った。言われた。ああ、もうだめだ、同情された。こんな、世間なんてなんにも知らないクソガキに。見下されたんだぼくは。ああもういや、いやだ。せかいなんてほろびてしまえ、おまえもはやくしんでしまえ。ぼくはおまえがにくくてにくくてしかたがない。ぼくはおまえがこわくてこわくて、しかたがないんだ。


何も考えずに書いたら急展開になったうえに足立が情緒不安定になった 落ち着けキャベツ太郎
番長は足立を怒らせたり焦らせたり怖がらせたりする天才なんじゃないかと勝手に思ってます

主足(P4)

「出所したら手紙くださいね」
「んー」
「あ、やっぱり電話がいいです。すぐにあなたの声が聴きたい」
「はぁ」
「あの、ちゃんと聞いてます?」
「うん、聞いてないよー」
「…でしょうね」

こうして無理やり続ける会話が、ただの悪あがきだなんてことはとっくに知っていた。周り一面がすべて鉄で囲まれた部屋は、あまり居心地のいいものではない。二人の空間を遮る仕切りは、それ一つでお互いの人生の歩み方さえ変えてしまっているように思えた。あと10分、定められた面会時間がもどかしい。看守が腕時計に目をやり始めたあたりから、ままならない気持ちはおよそ最大近くまで肥大した。

「俺、あなたが出てくるまで携帯の電話番号変えませんから。絶対変えませんから、だから必ず、かけてきてくださいね」

早口でまくし立てる俺の顔は今、きっと鬼気迫っているんだろう。鏡を見るまでもなくわかる。たった今、また会いましょうという約束をとりつけているところだというのに、まるで今生の別れをするかのような気持ちが俺の中で渦巻いていた。何か言わないと、彼は完全に離れてしまう。俺の傍から、俺の心から、俺の人生から。足立透なんていなかったと自己完結して思い出のアルバムを閉じるような未来を迎える気なんて、俺には更々ない。けれど、もしかしたら、そうなってしまうかもしれない状況に立たされているのも事実だ。足立さんは、俺にとある約束を取り付けた。出所するまで、面会には来ない。そんな約束。休みの日は絶対に面会に来る気でいた俺にとって、その約束は厳しいものだった。もし、彼が俺のことを忘れてしまったら。もし、俺が彼のことを忘れてしまったら。後者は有り得ないにせよ、前者はじゅうぶん有り得る。最初から独りよがりで始まった関係だったんだ、このまま終わってしまう可能性は、限りなく100%に近い。だからせめて、二人をつなぎ止める言葉を告げておきたくて、さっきまでの台詞を紡いでいたんだけれど。

「うーん、ごめん」
「え?」
「君の電話番号ね、もうわからないんだよ、僕」
「…は」
「番号、携帯から消しちゃったし。もう覚えてないんだよね」

嫌な予感が音を立てて目の前に転がった。そんな気分。じゃあ今番号書いて渡しますから、という焦燥感からの申し出は予想通りやんわりと断られてしまった。予感が予知に変わっていく。もしかしたらがやっぱりになる瞬間を見てしまったような気がして、なんだかとてもこわくなって、俺はついに顔を背けようとしてしまった。けれど、合ってしまった。彼と、目線が。独房にいるはずの彼は、殺人犯の目なんてしてはいない。普通の、大人の目を、している。駄々をこねる子供を諭す大人を、俺はガラス越しに見てしまった。駄目だ、だめだ。この人は本気で離れる気だ。俺の傍から、俺の心から、俺の人生から。

「足立さん」
「ごめんごめん、でも僕にはね、待っててくれる人なんていらないよ」
「あだち、さ」
「はい、足立おにーさんからの最後のお願い」

彼はにこりと微笑む。見慣れた作り笑いとはまた違った、どこか暖かさを感じさせるような笑み。なんでそんな顔見せるんですか、あなたはまだまだ子供でしょう。子供みたいな理屈をこねて立てこもっていたあなたはどこにいったんですか。そんな大人みたいな顔が見たいんじゃなくて、俺はただあなたの傍にいたいだけなのに。今から告げられる言葉だって、きっと俺にとって死刑宣告のような内容なんだろう。耳を塞げば楽なんだろうけど、震えた両手は動こうとしなかった。大人である彼の最後の願いを聞き入れようとしないほどに自分勝手にはなれなかったし、彼を嫌いにはなれなかったから。最後の願いくらい叶えたかったから。そうすることでしかこの人を愛せない俺は、やっぱり子供でしかない。握りしめた拳だって、こんなガラスさえ取り払えない、非力なもので。

「もう僕のことは忘れてね」

ほら、やっぱり。死刑宣告だ。


足立が最後けっこうまともになってたから番長の将来考えて関係切るぐらいはするかもしれないなあと
でもけっきょく3月に手紙書いちゃう足立さん 大人になりきれないあだちんこ
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