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番長と菜々子(P4)

ああ今日は記念日だ。きみがこの世に再び生を受けた記念日だ!ほら、お日様もにこにこ笑顔で笑ってるよ。きみの安らかな寝顔に柔らかい陽をあてて微笑んでるよ。きみがいま起きていたら、今日は洗濯日和だねって笑うんだろう。きみのパジャマとお父さんのシャツと俺の制服を物干し竿にてきぱきと吊していきながら、お洗濯たのしーねって、言いながら笑うんだ。その嬉しそうな声を、俺は失わずにすんだ。諦めかけた希望は、まだ輝きを損なってはいなかった。ああ、よかった。本当に。もしきみがこの世からいなくなっていたかと思うと、情けないけど震えが止まらない。あの機械に表示された直線と0という数字を思い出すだけでも、涙が出そうになる。部屋を支配した機械音は俺に大きな絶望を植えつけていった。それが今またこうして一定間隔の音を室内に響きわたらせていることが、いったいどれほどの希望を俺に与えていることか。ああ、菜々子、菜々子。血は繋がっていないけれど、俺の大事な大事な、たった一人の妹。きみが生きていてくれたことで、救われた人が何人いたか。きっと数えきれないほどの人が救われたはずだ。俺はもちろんその一人で、きみが生きていてくれたことが嬉しくてしょうがない。ああ、視界がぼやける。泣き虫なお兄ちゃんでごめんな。でも、今だけは許してほしいな。
なあ菜々子、俺はきみのお兄ちゃんになれて、すごくすごく幸せだよ。頼りないお兄ちゃんだけど、これからは絶対にきみを守るから、どうかずっと俺の妹でいてほしいんだ。お兄ちゃん頑張るから、これからもよろしくな。大好きだよ、菜々子。


ななこが生き返ったときはさすがに号泣したんじゃないかな番長 ちなみに私は雄叫びあげながら号泣しました
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