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主花(P4)

俺はおまえがいなくたって飯も食うしトイレにも行くしぐっすり寝れるよ。朝起きたとき隣におまえがいなくたってちゃんと朝飯食って歯ぁ磨いて制服に着替えれるよ。学校行ってる途中にチャリで転んだって頑張って自分で起き上がるし、無理だったら誰かの手ぇ借りて起きれるよ。授業中にカーメンにまったく答えわかんねえ問題で当てられても隣のやつに助け求めるよ。放課後一緒に帰るやついなくても里中とか完二とか誘うよ。夜寝るときにおまえがいなくたってクマと二人でくっちゃべりながら寝るよ。べつに俺はおまえがいないと生活ができないわけじゃないし、それはおまえだってそうなんだろう。おまえがいないとダメになるなんてことはきっとない。普通に1日1日が過ぎていくだけなんだろう。ちゃんと笑いもするし、喜びもする。生活に支障は出ない。でも、なんでかな。なんでだろ。俺はおまえがいなくても大丈夫だし、おまえも俺がいなくても大丈夫だろうけど、やっぱり、やっぱりさ、俺が暮らしていく人生のすぐとなりに、おまえがいてほしいなって。最近よく思うんだよ。おまえがいなくても一人でやってけるけど、おまえが傍にいてくれたら、もっと楽しいことも嬉しいことも増えるんじゃないかって。うん、そうなんだよ、おまえがいないとダメになることはないけど、おまえがいないと楽しくねえや。他のやつといてもおまえといるときにはかなわねーの。

「だからさ」

隣にいてくんねえかな、なんてしくしく女々しく泣きながら言う俺をおまえは優しく抱きしめた。耳元で好きだとか言いやがるから、俺もって返してやった。ああくそ、涙止まんねえや。
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