話題:行くあてのない気持ち

気づけば、10月になってしまう。日中はまだ暑さも顔をだしつつ、朝晩の冷え込みはすっかりと秋の装い。四季のなかでも秋から冬は特にすき。せつなさがおおい季節だから。透明度のたかい澄んだ空気がきもちいい。



彼との生活は、積み重なるというより流れてゆく。日々を共用してるだけで、なにも実っている感じがしない。彼のルーズさにいろんなものが失われてく。いちばんに彼への信用。支払い期限の切れた用紙をなんども捨てては、届いた手紙に毒を吐く彼をみていると亡くなった父をおもいだす。似ているなと感じるたびに嫌悪感がつのる。なにを言っても仕方ない、呆れたフリをして不安を胸にかくした。なんだかつらいな。きょうもまた届いた手紙をテーブルに並べる。

あまくないコーヒーにミルクと砂糖をたくさん入れてごまかした。あたしたちの関係はそんなふうに繕われている。たのしい日々をあしたにつなげて眠りにつく。今はつらいけれど、ミルクも砂糖も入れなくてもおいしいコーヒーになる日がくる。きっと今だけ、そう信じて、たのしいが、たのしかったになるまえに瞳をとじて、夢のなかへ逃げ込んだ。