兄弟の話だ。
時間の流れ自体は途中から察せていたのだけれども、たとえば謎を解くではなく外部からいきなり答えを与えられてしまうだとか、「私」が春を止めなかったりだとか、不思議な感覚のどんでん返し……いやどんでん返しってほどではない……反転? がある。
どこまでも「私」は後手後手で、間に合わないのだが、観測者として、見守り手として認められていたからこそ、この事件に関わっている。切ない話だ。「私」の回想も春を見守るばかりで、彼自身の行動はあまりない。得手不得手もあるだろうけども。ただし、春は彼を巻き込んで困惑させるけれど、彼は彼の行動で春を大いに混乱させていたりする。自覚はないんだろうけども。
あえて言葉にすることではないんだろうけど、興ざめにも言語化すると、重力を感じさせないように生きてきたピエロの話なのね。それはたぶん、あの家族全員が。
地味に気になっていたお兄ちゃんの事件の方、起こすきっかけがあったのかなかったのか、明かされなかったなあ。
ゲストはオーデュボンとラッシュライフ?