行方




日に日にと桜の花びらは散り
今度の休みには見に行こうと
何度も思い

叶わなかった桜の木々は
もう葉桜になり

季節は初夏へと向かう。


矢道には菫の花が
ひっそりと人間の手に負けじと咲いて

射場から見える空は
何故か春の空ではなく

秋を漂わせるようで。


ここにいなければ
今この空を見ることはなく
この自分の中に沸く
寂しい感情を知ることもなく

そんな心内を見透かすように
的から矢は離れていく

負ったこともない傷を負い
物思いにふければ
傷は痛み出す



これからどうするべきか

自分がしようとしていることは
自分がされれば
恐らく、した人間に怒鳴るだろう
でも、あの中に私のような人はいない

きっと、そのまま受け入れて
私は消えてしまう、そんな身勝手な恐怖と

我儘な意地



このが痛む限り
何度でも
現実に引き戻される

今、これから逃げられないと

そう、示して。




04/24 01:49
[Lyric]
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-エムブロ-