ひとひらの命
7月23日 21:37
:沖斎
世界で一番可愛い男(沖斎)
※タイトル通り
蒸し暑さに襟巻きを外し、手ぬぐいで汗を拭う
拭っても尚、肌を伝う汗の雫は煩わしい
いっそ着物を着替えてしまおうかとも思ったのだが、ふと感じた視線に手を止める
翡翠色の双眸から俺に向かう視線は妙に煩かった
俺と目が合うと総司は瞳を緩める
「一君の骨ってさぁ、丈夫そうでいいよねぇ
齧り甲斐がありそう」
「……なんだそれは」
唐突の物言いに溜息を吐くと、総司は座したままで身を寄せてきた
「一君、僕君が好きだよ」
「は?」
目前の翡翠色は甘く微笑む
甘える様な高い声に、思わず間抜けな声でしか反応する事は敵わなかった
「君が好きなの」
「…そうか」
追撃に似た速度でそう告げた彼の人の瞳が楽しげに細まる
暑さより熱くなる頬に視線を逸らした
「そうだよ?」
笑いの混ざる声にからかわれたのかと思い視線を戻すと総司の右手が俺の頬を包む様に触れてくる
「うん、そうなんだ…一君が大好きだ」
噛み締める風に総司は告げて、馴染み重なる唇に息を止められた
躊躇いがちに触れては離れる口付けを受け入れる
暑さも熱さへ擦り代わり、上がる息の果てに見えた総司の微笑みに零れる感情は愛しさに他ならなかった
おっしゃる通り沖田総司です!
一君の目に映る総司がやっぱり世界一…
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