【かざはやの里】6月19日

 Hの車は、僕を助手席に乗せ、三重県津市に向かって南下していた。
 車内では、人生のこと、政治のことなど、遠慮無く何でも語り合う。
 共に、一応は市民と野党による連帯の力で安倍内閣を終わらせたいと思っているし、彼は現役の活動家(?)だからだ。

 途中、トイレと喫煙タイム(Hのみ)の5分ほどの休憩を入れ、車は、ほぼ2時間で目的地に到着した。
 広大な紫陽花園のある「かざはやの里」である。

 Hは重たいカメラ道具を背負っているが、僕は携帯のみの軽い出で立ちだ。

 勿論、ピンクや赤紫、青や水色の紫陽花や額紫陽花も沢山植えられて入るが、白や黄緑(?)の花が多い花園だ。
 晴れが続いた後だということもあってか、赤紫の花は、ドライフラワーのようになっているのもあった。
 谷間の道を挟んで向かい合った二つの丘の斜面や、上の平らな面が全て紫陽花畑なのだ。
 片方の丘を廻って写メを撮り(Hは本格的な撮影)、売店のある休憩室へ。
 時間も12時になっていたので、昼食タイムにした。
 僕はソフトクリームとたこ焼きでHは焼きそば。
 僕は8個のたこ焼きを食べられず、3個をHに譲る。
 食は少なくなったとは言え、Hは痩せの大食いなのだ。

 少し、休憩後、反対側の丘に向かう。
 丘の上には何故か足湯コーナーがあり、その隣に障害者が作ったという足湯の足を拭くタオルが売られていたので、と言っても、ハンドタオルなので、二枚買って、箱に二百円を入れる。
 一通り周り、炎天下での撮影だったので、うずくまってカメラを覗いているHに、
「さっきのところで、アイス食べてくるね」
と伝えると、
「オレも行くわ」
の返事。

 今度は僕がかき氷で、Hがソフトクリームだ。
 言っておくが、二人とも、そんなにかき氷やソフトクリームを好んで食べる人間ではないが、それほどまでに暑かったのだ。
 時は3時になっていた。
 何と、その休憩所から入り口の駐車場まで無料で送ってくれるゴルフ用のカートがあり、丁度やって来たので、乗せてもらうことにした。
 ここはゴルフ場の一画に造られた紫陽花園だったのだ。

 高速に乗ると喫茶店はない。
 名古屋に帰ってから、僕の自宅の近くに出来た喫茶店に入り、精算をし、僕の自宅まで送ってもらった。
 Hとの初めての癒しの旅もなかなか充実した感じだった。